ヤマト宅配ドライバーの一日の作業内容 元セールスドライバーからみたら破綻は当然予想できた

自分がヤマトの宅急便ドライバーをしていたのは今から16年前、その時と今2017年現在でも作業内容は改善されること無く

様々な理由で辞めていったドライバーの屍の上に繁栄と利便性はあります。

 

この情報はその頃勤めていた経験から書いていますので、現在とは若干のズレはあるかと思いますが、概ねは変わらないと思っています。

尚、そのころはもちろんアマゾンはありませんが、しかしメール便はありました。

宅配業界への転職や就職などを考えている方への参考になれば幸いです。

ヤマト宅急便ドライバーの一日の作業内容

大まかな一日の流れは以下のようになっています。

午前

朝出勤⇒トラック便の荷物卸⇒仕分け作業⇒伝票整理⇒配達先の確認作業⇒荷物の積み込み⇒配達

午後

集荷⇒不在宅の確認⇒集荷⇒営業所帰還⇒荷物の積み込み⇒伝票整理⇒帰宅

 

ドライバーは出勤時間は決まってはいますが、ドライバーの経験や力量にしたがって出勤時間は変わってきます。

新入りドライバーの出勤時間と時間割

6時半~8時までの仕事

ベテランであれば7時半ぐらいに出勤してきていましたが、新人などは6時40分ぐらいには出勤して地図と格闘していました。

地図にある自分の配達区域が頭に入っていないと大幅な作業予定の遅れが生じるので必死です。

 

さらには交代で早番が決まっており、その担当になると6時ぐらいには出勤して営業所の鍵を開けたり準備をします。

その早番の重要な役目は朝便のトラックの仕分けをする事です。

これは一人では出来ないので地域のアルバイトのおじさん達と一緒になって、トラックの荷物をおろして、各地域名を書いたコンテナーに積んでいきます。

8時前~9時までの仕事

1.配達荷物からの伝票抜き取りと地図確認

自分の配達区域の荷物から配達伝票を抜き取り、コンピューターにインプットします。

それから荷物の住所を地図で確認していく作業にはいります。

新人で慣れていないとこれで大幅な時間を割くことになります。

また中年の新米ドライバーだと老眼がきている場合があるので、細かな地図で配達住所を探すことは大変です。

私の場合は新人の間は配達区域の地図をコピーして家へ持ち帰り一日でも早く覚えるように努力はしていました。

2.荷物を配達車両に積み込む

荷物は保冷荷物と通常荷物がありますから、車の冷蔵部分に保冷荷物をいれます。

これもコツがあり、配達の順番に従って営業所から近い配達先の荷物は取り出しやすい前に、あとになる荷物は奥になるように入れていきます。

通常の荷物も同様で、配達の順番を考えて遠方から入れていかないと配達先で泣くことになります。

簡単そうですが新入りは頭の中に地図が出来ていないので難しいです。

小さな荷物は全て運転席の横に置きます。

3.配達に出発

これでようやく出発するのですが、ベテランの人は8時過ぎぐらい、中堅で8時半ぐらいには出発していきますが、一年未満の新入りドライバーは9時は回りますね。

9時を過ぎると焦ります。事務所には自分しか居なくなり所長の目も険しく感じます。

宅配ドライバのタイムスケジュールでは配達は午前中に終わらせるのが理想で、午後からは集荷に入らないといけません。

効率よく一筆書きをイメージして自分の配達区域をまわります。

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時間指定と不在が配達を困難にする

ここでたちはだかるのが時間指定と不在です。

荷物を積み込む時に遠い場所にある荷物から奥に積み込むのですが、時間指定まで頭に入れる余裕は正直ありません。

配達先に行って荷物を見た時に、初めて夜間指定に気づくこともよくあります。

 

そして一番困るのが不在です。

繁忙期などは車の荷台は宅配荷物でギッシリに詰め込まれています。

目的の荷物を取り出すのにも苦労しますが、その荷物が配達出来ずに持ち帰ると置き場に困ることになります。

次に配達場所でまた車からそれらの荷物を出し入れしないといけません。

配達の終盤での不在は荷物が減っていますからそんなには苦にはなりませんが、序盤での不在は心が折れそうになります。

客からの呼び出し

不在時には不在票を入れていくのですが、それを見た客から携帯に電話がありそれにも対応しないといけません。

分かってくれるお客さんは良いのですが、中には”今すぐもってこい”の一点張りの人もいます。

私の担当した地域では、営業所から一番遠いところで約50kmあります。

この距離を一人のお客さんのために戻っていたのでは、夜中になっても仕事が終わりません。

頭痛くなります。

さらに宅急便の運転手は別名セールスドライバーの名前が示すように、セールスをしなければなりません。

配達先や集荷先でヤマトが販売している地域の物産などの物販のお願いもしていきます。

集荷作業

一般の人達が宅配便運転手に抱いているイメージは配達だけしか無いと思いますが、荷物を集めて回る集荷作業も大事な業務になります。

理想は配達を午前中に終えて、昼食をとり午後から集荷に回ります。

ですが新人の間一年間は昼食に割ける時間はほとんどありません。

昼飯抜きで仕事しますからこの体力を使う配達作業は困難を極めます。

道端でへたり込むなんてこともしょうっちゅうありました。(自分の場合は)

 

配達地域によって集荷する内容は異なりますが、自分の場合は漁港メインでしたので発泡スチロールにはいったハマチやカツオなどが多く

鮮度を保つために細かな氷をぎっしり詰め込んでいますのでこれが何十箱もあると腰、腕に相当こたえます。

こういった定期契約している集荷先に加えて、個人のお客さんからも集荷の依頼にも対応しなければいけません。

集荷した荷物をぎっしり詰め込んで営業所に帰ってくるのが、6時~7時ぐらい、7時半ぐらいには集荷した荷物を載せるトラックが到着しますのでそれに間に合うように必死です。

どうしても間に合わないとか、集荷する荷物が多すぎて配達車に詰めない場合は応援を要請して、すでに仕事が終わっているドライバーにきてもらいます。

これに関してはドライバー同士、明日は我が身なので嫌味もなく普通に仕事の一環として応援してくれるので有難かったですね。

最終便のトラックに集荷荷物を積み込む

大型トラックに荷物を積み込む作業は全員で協力して行います。

繁忙期などは事務員の女の子の手も借りないと定刻に送り出せないので必死です。

最後の仕事は伝票整理

トラックを送り出した後、配達した荷物を配達完了としてハンディPCにインプットしていきます。

この配達した荷物1件につき歩合が入りますから配達件数は多いほど月収は多くなります。

この時間でも不在票を入れたお客さんから配達依頼の電話が入ってきます。

断ることは出来ないので行きますが、近ければ良いのですが最大の遠い配達先だった場合は往復で1時間半はかかってきます。

当然退社は遅くなり帰宅は遅れますよね。

帰宅するのが深夜というのもよくありました。

 

ここで問題なのが不在の持ち帰り荷物です。

100個の内20個が不在だった場合は翌日+20個を持ってでないといけなくなり、不在荷物が増えるに従って累積していくというスパイラルに陥ってしまいます。

現在は不在荷物専用のドライバーがいるのかもしれませんが当時は全部担当ドライバーの仕事でした。

ヤマト運輸を辞めていった人達の理由とは

宅急便の仕事は体力的にきついですが、てっとり早く高収入が得られるのも事実です。

中年のおじさんが仕事が無い田舎で家族を養っていけるだけの月給をもらうにはヤマトしか選択値はありませんでした。

しかしながら佐川男子にみられるような体力自慢の人ならいいけど、30半ばを過ぎて入社してきた人達のほとんどは5年またずに辞めていきました。

辞めていく理由としては大きく2種類あるかと思います。

ひとつは体力的な事です。

通常の時期の業務だけなら乗り切れますが、真夏や台風、そして怖いのが祭日と記念日です。

とくに母の日は殺されます。

辞めていくパターンとしてクリスマス前や母の日前に辞表を出して来なくなるケースがありました。

もう一つは事故です。

自損で少し車を傷つけた場合でも、支店から指導官が駆けつけて2週間ほど助手席で指導することになります。

通常の慌ただしい業務の間、彼らはドライバーの動きをチェックし続けます。

そこで目出度くOKがでたらこれまで通りの宅配業務に戻ることができます。

この指導も一度くらいなら誰しも経験することなので汚点にはなりませんが、さすがに2回以上受けるとなると店長からの睨みがきつくなり

店長の性格によっては会社に居づらくなる雰囲気になってきます。

自損にしても1回、2回と起こすと3回目ぐらいで居づらくなり辞めていくパターンがあるように思えます。

 

アマゾンの仕事を引き受けた時からドライバーの悲痛な叫びが伝わってきた

昔の仕事仲間から”もう限界””やってられない”という話は聞いていました。

私の頃はアマゾンは存在していませんでしたけど、それでもギリギリのところで仕事していた感覚があります。

当時で通常の荷物を1個配達すると100円の歩合がついていました。

それに対してメール便はうろ覚えなんですが10円もしくは歩合無しだったように思います。

ですからどうしてもメール便に対しては力が入らないですよね。

ものとしては軽いしポスト投函ですから楽なんですけど、通常の荷物の配達順の中へメール便の住所を調べて配達ルートに組み込む事自体無理があった。

 

アマゾンの荷物1件でどれだけの歩合がつくのかは知りませんが、おそらくはやってられないくらいに単価は下げられているのは想像にかたくない気がします。

すべて人員を増やせば解決できる問題ですが、会社側の利益率を考えるとむやみに人件費をふやすことはしたくないでしょう。

これはある意味ヤマトのビジネスモデルの限界を表面化させてしまっただけだと思います。

もう数十年まえからドライバーは疲弊していた、しかしメディアは伝えて来なかった。

この問題が表面化してやっと会社も重い腰を上げて再配達時間を1時間~1時間20分繰り上げたり、宅配荷物料金を5~20%値上げして従業員の待遇改善に向けたり不足しているドライバーの確保に務めるという明るい兆しが見えてきました。

 

ここにきてやっとアマゾンという黒船が生み出す利便性の裏に、多くの人達の声にならない声があることを気づき始めたというか、気づいてはいたが話題性にも乏しいので伝えて来なかったというのが本当のところだと思います。

 

日本企業のデフレ時の繁栄は多くのパートタイマーやアルバイター、季節労働者、非正規社員の働きによってもたらされたと思っています。

イ◯ンのパートなども10年勤めてやっと時給が10円上がるぐらいの安い時給で社員並かそれ以上の仕事を課せられていると聞きます。

ヤマトの問題は氷山の一角でしかなく日本が抱える構造的なものを感じます。

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